相続手続き13問

相続手続きに関するよくある質問

弁護士監修のもと、相続手続きに関する13問の質問と回答を整理しました。

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まずは死亡診断書の受領と死亡届の提出です。死亡を知った日から7日以内に、被相続人の本籍地、死亡地、または届出人の住所地の市区町村役場に提出します。死亡届が受理されると火葬許可証が交付され、葬儀・火葬を進められます。次に、世帯主変更届(死亡から14日以内)、健康保険・介護保険・年金の資格喪失手続き、公共料金の名義変更などを順次行います。相続そのものに関する手続きは、遺言書の有無の確認から始まります。自筆証書遺言があれば家庭裁判所の検認、公正証書遺言であればそのまま手続きに進めます。同時に、戸籍収集による相続人確定と、財産調査による遺産目録の作成を並行して進めるのが一般的な流れです。

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被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍)を収集する必要があります。人生のどこかで認知した子や養子縁組をした子がいないかを確認するためで、現在の戸籍だけでは過去の身分関係は読み取れません。本籍地を転々としている場合、それぞれの市区町村に請求して時系列でつないでいきます。加えて、相続人全員の現在の戸籍謄本も必要です。兄弟姉妹相続となる場合は、被相続人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍も必要となり、書類は数十通に及ぶこともあります。収集した戸籍一式を法務局に提出して法定相続情報一覧図の保管・交付申出を行えば、以後はこの一覧図1枚で各種手続きを進められ、作業が大幅に簡略化されます。

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金融機関が名義人の死亡を把握した時点で、口座は凍結されます。凍結のきっかけは、遺族からの届出、新聞のお悔やみ欄、地域での情報など様々です。凍結されると、入出金・引き落とし・振込がすべて停止し、公共料金やクレジットカードの引き落としもできなくなります。2019年の民法改正により、相続人は各金融機関の同一被相続人の預貯金のうち、相続開始時の残高の3分の1に法定相続分を乗じた金額(1金融機関あたり最大150万円)までを、単独で払い戻すことができるようになりました。葬儀費用や当面の生活費に充てることを想定した制度です。本格的な解約・名義変更には、遺産分割協議書または遺言書、戸籍一式、印鑑証明書などが必要となります。

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準確定申告とは、被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が代わって行う確定申告です。対象となるのは、自営業者、不動産所得がある方、給与所得が2000万円を超える方、複数の会社から給与を受けていた方などです。期限は、相続の開始を知った日の翌日から4か月以内で、相続税申告の10か月とは別の期限である点に注意が必要です。相続人が複数いる場合、原則として全員が連署して1通の申告書を提出しますが、別々に提出することも可能です。還付金がある場合は、相続人が相続分に応じて受け取ります。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課される可能性があります。

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2024年4月から、相続により不動産を取得した相続人に対して、相続登記の申請が義務付けられました。不動産の取得を知った日から3年以内に登記申請を行わなければならず、正当な理由なくこれを怠ると10万円以下の過料の対象となります。義務化の背景には、全国的に広がる所有者不明土地問題があります。登記されないまま世代が進むと、相続人の数が膨大になり、事実上処分不可能な土地が生じるためです。この義務は、2024年4月より前に発生した相続にも遡及適用されており、過去に登記されないまま放置された不動産を抱える方も対象となります。期限内の申請が難しい場合は、相続人申告登記という簡易な制度を利用することもできます。

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遺産分割協議による相続登記の場合、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の現在の戸籍謄本、被相続人の住民票除票、相続人全員の住民票、遺産分割協議書(相続人全員の実印押印)、相続人全員の印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記申請書などが必要です。遺言書がある場合は、遺言書(自筆証書の場合は検認済証明書付き)、受遺者の戸籍謄本・住民票などに簡略化されます。登録免許税として、固定資産評価額の1000分の4が必要です。法務局への申請は、郵送・窓口・オンラインのいずれでも可能で、司法書士に依頼するのが一般的です。

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法定相続情報一覧図は、被相続人と相続人の関係を一枚の図にまとめた書面で、法務局が認証したものです。戸籍一式を法務局に提出して認証を受ければ、以後は一覧図の写しを提示するだけで、相続登記・預金解約・保険金請求・相続税申告など各種手続きを進められます。戸籍の束を毎回複数の窓口に提出する必要がなくなるため、手続きの大幅な効率化が可能です。交付手数料は無料で、必要な通数だけ請求できます。申出に必要な書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式、相続人全員の現在の戸籍謄本、被相続人の住民票除票、申出人の氏名住所を確認できる書類などです。

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被相続人の自動車を相続する場合、運輸支局で移転登録手続きを行います。必要書類は、戸籍謄本または法定相続情報一覧図、遺産分割協議書、新所有者の印鑑証明書、車検証、自動車税納税証明書などです。軽自動車の場合は軽自動車検査協会で手続きし、必要書類も簡素化されます。自動車保険は、名義変更手続きを別途保険会社で行う必要があります。

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受取人が指定されている生命保険金は、原則として受取人固有の財産であり、相続財産には含まれません。したがって遺産分割の対象外となり、受取人は他の相続人の同意を得ずに単独で請求できます。また、相続放棄をしても受け取ることが可能です。ただし、相続税法上は「みなし相続財産」として課税対象となり、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠が適用されます。受取人が被相続人自身や相続人でない場合は、所得税または贈与税の対象となります。

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まず、証券会社に被相続人の死亡を連絡し、残高証明書を取得します。次に、相続人名義の証券口座を開設(既に口座がある場合はそれを利用)し、遺産分割協議書または遺言書に基づいて、被相続人の口座から相続人の口座へ移管します。証券会社ごとに必要書類のフォーマットが異なり、戸籍一式、遺産分割協議書、印鑑証明書、相続届などを提出します。上場株式は相続開始日の終値など4つの価格のうち最も低い価格で相続税評価を行います。

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デジタル資産の相続は、近年急速に重要性を増しています。ネット銀行・ネット証券は、ログイン情報が家族に共有されていないと、口座の存在自体が把握されません。暗号資産は、ウォレットの秘密鍵がわからなければ事実上アクセス不可能となり、資産が永久に失われます。サブスクリプションサービスは、解約しない限り課金が続きます。対応策としては、生前にデジタル資産一覧を作成し、パスワード管理ツールなどを通じて家族がアクセスできる仕組みを整えておくことが最も重要です。

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借金(金銭債務)は、相続開始と同時に法定相続分の割合で各相続人に分割承継されるのが原則です。たとえば相続人が配偶者と子2人であれば、配偶者が2分の1、子がそれぞれ4分の1を承継します。遺産分割協議で「借金は長男が全部引き継ぐ」と取り決めても、それは相続人間の内部的な取り決めにすぎず、債権者に対抗することはできません。債権者は、合意の有無にかかわらず、各相続人に法定相続分に応じた請求ができます。債務超過が明らかであれば、相続放棄または限定承認を検討します。

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年金受給者が亡くなった場合、年金受給権者死亡届を日本年金機構に提出します(マイナンバー連携済みの場合は省略可能)。提出が遅れて過払いが発生すると、返還請求されます。一方、亡くなった月までの年金で、被相続人が生前に受け取っていなかった分は「未支給年金」として、生計を同じくしていた遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹の順)が請求できます。未支給年金は、請求した遺族固有の財産であり、相続財産には含まれません。所得税法上は、請求した遺族の一時所得として扱われます。

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